このパッケージにより,(a)エネルギー損失スペクトルの多数回計測,および(b) ゼロロススペクトルのエネルギードリフトの補正,が可能になります。エネルギーロス軸は自動的にキャリブレーションされます。
使用法
1. インストール(必須)
- ‘KsEELSPackage’ と ‘CAEMDialog’を DigitalMicrographが入っているフォルダーの中にある’Packages’ フォルダーにコピーします。
- DigitalMicrographを立ち上げます。 [KsEELS] というメニューが現れます。
- [KsEELS] – [Acquisition Setup] を選択し, tabを選択します。 エネルギー分散値を#1から順番に入力します。エネルギー分散値の順番は, ‘Filter Control’のプルダウンメニューに現れる順番(上から)です。0.2 eV/chの設定で実際に0.208 eVである場合には,後者のより正確な値を入力することができます。
2. スペクトルの計測
- [KsEELS] – [Acquire Multiple Spectra]を選択します。
- tab に現れるExposure time とNumber of Measurements を確認します。
- OK を押すと計測が始まります。
- スペースバーを押すことにより計測を中断できます。 progress windowに計測経過が表示されます。
- スペクトルの計測に使うCCD 検出器の領域は,[KsEELS] – [ Acquisition Setup] tabで設定できます。
3. 計測したスペクトルの名前
- 計測したスペクトルには自動的に名前が付きます。名前は,ヘッダーとサフィックスよりなり,それぞれ次のようなルールに従っています。
- ヘッダーは”Sample Name” + “Energy loss value”の形式になっています。”Sample Name”は[KsEELS] – [Acquisition Setup]- tabにあるspecimen nameで指定できます(空白でも可)。”Energy loss value” の値は,[KsEELS] – [Acquisition Setup] tab の’Zero-loss Position (pixel)’ で指定されたpixelの位置を基準(ゼロロス位置)として,EnergyShift,, SpectrumOffset, DriftTubeの3つのパラメータから計算されます。ゼロロスを取得しても0eVとならない場合,EnergyShiftの値が0になっていない場合がありますので,ゼロロスピークを所望の位置に調整した後,FilterControlで,[calibrate]-[Null Energy Shift]を実行してください。
- サフィックスは3種類あります,”_3D”は複数回計測したスペクトルを3Dデータとしたものです。”_Sum(N)”は,複数回計測したスペクトルをそのまま単純に足しあわせたものです。()内の数字は,計測回数です。”_prj”は単純に縦方向に投影したスペクトルです。
4. ドリフト補正
- [KsEELS] – [Get Shifted Sum]を実行します。この機能は,現在のところlow-lossスペクトルでしかうまく働きません。
- Dead line of zero loss (eV) とは,悪いスペクトルをのぞくためのガイドラインです。ゼロロスピークの半値幅がこの値よりも大きい場合には,足しあわされません。
次の論文を引用してください:
- K. Kimoto and Y. Matsui: Journal of Microscopy, vol. 208 (2002) pp. 224-228.(http://dx.doi.org/10.1046/j.1365-2818.2002.01083.x)
お断り
GIF, DigitalMicrograph, および FilterControl は Gatan, Incの製品です。
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