電子顕微鏡のサンプルのほとんどは、位相物体として作用します。位相物体は位相を変化しますが、振幅をほとんど変化させません。しかし、電子波の観測では強度(振幅)が計測されますが、位相は直接には計測できません。弊社ではスルーフォーカスHR-TEM像、STEMの微分位相コントラスト像、および電子線ホログラムから位相を計測する手法を提供しています。

  • IWFR (Iterative Wave-Function Reconstruction)
    IWFRはGerchberg-Saxtonタイプの反復アルゴリズムを用いて、最小5枚のHR-TEM像から複素波動関数を再構築します。

  • FTSR (Focus and Tilt Series Reconstruction)
    FTSRはウィーナーフィルターを使用して、20枚程度のHR-TEM像を用いて複素波動関数を再構成します。

  • QPt (Quantitative Phase Technique)
    QPtは強度輸送方程式(Transport of Intensity Equation: TIE)に基づいて、3枚の明視野像から位相分布を求めます。 QPtは、目的により中解像度から原子解像度まで使用可能です。

  • qDPC (Quantitative Differential Phase Contrast)
    qDPCはSTEM-DPC(Differential Phase Contrast)信号を積分することによって位相分布を求めます。

  • HoloDark (Dark-field Holography)
    HoloDarkは暗視野での電子ホログラムから得られた位相分布を使用してGPAの手法に基づいてひずみマップを生成します。

  • HoloLive (Real-time Holography)
    HoloLiveはライブ(リアルタイム)で電子ホログラムから位相分布を再構築し、電子線ホログラフィーの実験を促進します。