STEMからは原子分解能で種々のデータが取得されます。弊社では、以下に示すように、STEMで取得されたデータの定量解析のための幅広いプラグインを提供しています。

  • DeConvHAADF (STEM-HAADF Deconvolution)
    DeConvHAADFは最大エントロピー法またはRichardson-Lucy法により、電子プローブを装置関数としてデコンボリューションを実行することにより、STEM-HAADF像の空間分解能を向上させます。

  • DeConvEELS (EELS Deconvolution)
    DeConvEELSは最大エントロピー法またはRichardson-Lucy法により、ローロスまたはゼロロススペクトルを装置関数としてデコンボリューションを実行することにより、電子線エネルギー損失スペクトル(EELS)のエネルギー分解能を向上させます。

  • MSA (Multivariate Statistical Analysis)
    MSAは最も一般的な多変量統計分析法であるPCA(主成分分析法)に基づいて、SI(スペクトル像)データからランダムノイズを大幅に除去し、各スペクトルを明瞭にします。

  • qHAADF (Quantitative HAADF Analysis)
    qHAADFは原子分解能HAADF-STEMデータの積分強度から原子カラム毎の組成分析を実行します。

  • sMoiré (STEM Moiré Analysis)
    sMoiréはSTEMによって取得されたモアレ像からGPAの手法を使用してひずみマップを生成します(GPAを参照)。 これにより、HR-STEM像に基づく手法と比較して、広い視野にわたるひずみマップが高精度で得られます。

  • SmartAlign (Scan-distortion Compensator)
    SmartAlignは高速で取得された複数のSTEM像にリジッドおよび非リジッドアライメントを適用することによりスキャン歪みを補正します。 HAADF像などより求まった歪み情報を使用して、同時取得されたSI(スペクトル像)データを含む他のデータの位置合わせが可能です。

  • qDPC (Quantitative Differential Phase Contrast)
    qDPCはSTEM-DPC(Differential Phase Contrast)信号を積分することによって位相分布を求めます。