Frequently Asked Questions

よく聞かれる質問について
Q and A 形式で説明しています。

動力学的散乱計算に対して(MultiGUI)

電顕像の計算に関して(ImageGUI)

散乱強度出力に関して(DFOutGUI)

動力学的散乱計算に対して(MultiGUI)

Q001

原子パラメータエディタの使用方法について

A001

1.Atom Parametersの「Edit」をクリックします

 すると下のような原子パラメータ編集ウィンドウが現れます。(ここでは、2個の原子座標データを既に入力したものを示しています。)

2.各行に、原子名、座標(x,y,z)、占有率、温度因子を入力します。

  • 「Name」欄には元素記号を含んだ原子名を入れます。識別のための番号を追加することもできます。

  • 「X」「Y」「Z」欄には原子のセル内の座標を入力します。

  • 「Occupancy」欄には原子の存在確立を入力します。通常は1です。

  • 「Thernmal」欄には各原子の温度因子を入力します。「0」の場合には「Overall Thermal Factor」が適用されます。

3.入力が済めば「OK」をクリックしてウィンドウを閉じますNOTE

NOTE「Export」を選択すると原子パラメータを独立のテキストファイルとして保存できます。しかし、データを必ずしも独立のテキストファイルとして保存する必要はありません。しかし、テキストファイルとして保存した場合はテキストエディタで大量のデータを容易に修正することができます。

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Q002

Occupancy(占有率)の指定の仕方について

A002

Occupancyはその原子の占める実際の占有率を指定します。殆どの原子の場合は1となるでしょう。乱れた構造などでは特定の原子位置の占有確率は1以下になります。

対称操作による重複は自動的にプログラムで考慮されます。このため、Occupancyを1/多重度にする必要はありません。

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Q003

格子定数の角度のところがゼロになっている例がありますが...

A003

角度はコサインでの入力も可能です。このため、ゼロは90度を表しています。しかし、度数とコサインを同時に用いてはいけません。例えば、3つの角に0, 0, 120等と指定することは間違いです。

TIPS 計算機内部ではコサインが使われています。

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Q004

位相格子は何種類使えますか?

A004

位相格子は番号で区別されており、0から9まで最大10種類のスライスを任意の順序で使用できます。

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Q005

単位胞は最大何スライスまで分割できますか?

A005

位相格子の最大枚数は10ですので、10スライスまで分割できます。

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Q006

位相格子(透過関数)はどのように計算されていますか?

A006

位相格子はスライスの投影ポテンシャルを複素指数関数に代入することにより求めています。ここで、ポテンシャルの投影方向は、スライスに垂直ではなく、入射電子線の方向に取られています。

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Q007

マルチスライス法で計算に取り込まれる散乱波の範囲について

A007

本プログラムでは計算に取り込まれる散乱波の範囲はPreferencesの「Dynamical Calculation」の「Range」で指定します。

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Q008

[011] や [111] 入射の場合のスライスの厚さについて教えて下さい。

A008

通常、スライスの厚さとはスライスに垂直に測ります(スライス本来の厚みに相当します)。しかし、散乱の観点から重要なのは、スライスを入射方向に測った長さです。

同じ [011] に入射でも、(001) 面に対して [011] に入射する場合と、(011) 面に対して [011] 入射する場合とでは厳密には散乱条件が異なります。本プログラムではこの違いを取り扱うことが可能です。

本プログラムではスライスはいつも表面に平行にとります。しかし、ポテンシャルは入射方向に投影します。

興味があれば、 K. Ishizuka, Acta Cryst. A38 (1982) 773-779を参考にして下さい。

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Q009

電子線の入射方向の指定の仕方について

A009

電子線の入射方向は実格子をもとに実格子ベクトルで指定します。例えば、c 軸に平行に入射する場合は [0, 0, 1] となります。電子線の入射方向が実格子ベクトルで表現されない場合は電顕像を観察するのに適しません。

NOTE 電子線回折の実験では、電子線の入射方向をLaue点(Ewald球の中心を逆格子平面上に投影した点)の位置として表現される場合があります。

TIPS 電子線の入射方向の実格子および逆格子での表現を

とした場合、Laue点の座標は(r1, r2)と表されますが、 r1, r2は両辺にa, bを掛けることによって

のように変換されます。

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Q010

入射方向の指定でc=0は許されないのは何故ですか?

A010

プログラム内では入力に指定された単位胞のab面を入射表面としています。このため、入射方向の指定でc=0というのは入射面の平行入射することを意味します。このような状況は実際にも起こりえません。

TIPS このプログラムでは電子線の試料への入射面が指定できます。これにより他のプログラムでは通常無視されている表面効果を取り入れることが可能となっています。

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Q011

c軸に垂直な入射は取り扱えますか?

A011

入力された単位胞での入射方向の指定でc=0は許されません。このため、結晶のc軸が入射面に来るように「Preferences」で座標の変換を指示します。

MultiGUI により原子座標、電子線入射方向等が変換され計算用データが作成されます。

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Q012

原子散乱能はどのように計算されているのでしょうか?

A012

x線の原子散乱能をもとに以下のMottの公式を用いて計算しています。

x線の原子散乱能にはInternational Tables for x-ray Crystallography, Vol. IVに記載のガウス関数を用いた近似式を利用しています。

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Q013

イオンの原子散乱因子を使うことはできますか?

A013

原理的には「イエス」です。しかし、高度な利用法となりますので直接お問い合わせ下さい。

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Q014

温度効果(熱振動)の計算への取り入れ方はどのようになっているのでしょうか?

A014

温度変化による熱振動の効果は温度因子として計算に取り入れています。

  • 各原子に異なる温度因子を作用させる場合には原子パラメータの「Thermal」のところにそれぞれの温度因子を指定します。

  • 各原子の温度因子がゼロの場合には WORKSHEETの「Overall Thermal Factor」の値が使用されます。

TIPS 試料全体に同じ温度因子を作用させて近似したい場合にはWORKSHEETの「Overall Thermal Factor」の欄に温度因子を入力します。この場合には、各原子の温度因子はゼロにしておきます。

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Q015

温度因子はどのように原子散乱能に作用しますか?

A015

原子散乱能は散乱角によって以下のように減衰します。

ここで、Bは温度因子、_ はBraggの散乱角です。この式で判りますように、散乱角が大きいほど温度因子(熱振動)の影響は大きくなります。

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Q016

Unitary testではどのようなことが判りますか?

A016

吸収が無いかぎり電子数の減少は起こりません。このため、電荷密度の総和はいつの一定です。フーリエ変換の性質より、電子密度の総和は散乱波の総和と等しくなります。しかし、散乱計算に十分な散乱波を用いない場合には、計算に取り入れている領域外に電子が移行しようとします。このため、散乱波の総和が試料の厚みとともに減衰します。

しかし、本プログラムのように高速フーリエ変換(FFT)をもちいたマルチスライス法の場合にはいつも電子密度の総和と散乱波の総和は厳密に1に等しくなります。このため、通常のUnitary testは無意味となります。

本プログラムのUnitary testでは散乱波の総和を取るときに、最外部に達した散乱波を取除いています。このため、散乱計算に十分な散乱波を用いない場合には、散乱波の総和が試料の厚みとともに減衰します。しかし、この効果はそれほど大きくありませんのでUnitary testの限界(Limit)は1に近い値を使用して下さい。

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Q017

どのような伝播関数が計算に使用されていますか?

A017

本プログラムでは球面波にもとずく伝播関数が使用されています。

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Q018

3次元効果とは何のことですか?

A018

電子線の入射方向に関して原子位置の上下関係が散乱強度に影響することを3次元効果と呼んでいます。

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Q019

3次元効果はどのように取り入れられますか?

A019

マルチスライス法では単位格子を幾つかのスライスに分割し、原子位置の上下関係を取込むことができます。

NOTE 3次元効果がマルチスライス法でどれほど正確に取入れられるかについてはまだ議論されているところです。

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Q020

対称性(対称操作)の指定の仕方は?

A020

対称操作の指定方法はInternational Tables for Crystallographyの表記に準じます。

  • 各対称操作のxyz成分の区切りはコンマ(,)。
  • 各対称操作の区切りはセミコロン(;)。
  • 入力の終了はピリオド(.)。

例:x, y, z; y, x, z.

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Q021

原子パラメータがファイル(テキストデータ)から読み込み出来ません。

A021

指定した原子パラメータの個数と順番がデータと一致しているか確認して下さい。

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Q022

原子パラメータファイル(テキストデータ)の作成法は?

A022

1.エディタ、ワープロなどで各原子の原子名、座標(x,y,z)、占有率、温度因子を一行に入力します。各パラメータはスペース(空白)あるいはコンマ(,)で区切られていれば、位置を整列する必要はありません。各行に番号を付けることも可能です。

Type

X

Y

z

Occupancy

Thermal

Sn

0

0

0

1.0

0

O

0.307

0.307

0

1.0

0

原子名には必ず元素記号を含めて下さい。同種の元素を区別するために原子名に番号を付加することも出来ます。

2.作成されたデータをサンプル名.atmとして保存します。

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Q023

原子パラメータファイル(テキストデータ)の形式は?

A023

テキストデータで、各行に、原子名、座標(x,y,z)、占有率、温度因子を入力します。各パラメータはスペース(空白)で区切られていれば、位置を整列する必要はありません。

パラメータの順序はデータ入力の時に指定できますので、任意に並べけることができます。




電顕像の計算に関して(ImageGUI)

Q101

格子像で何のコントラストも出てきません

A101

電顕像計算のときの絞りの大きさ(Aperture radius)を調べて下さい。結像に関与する最小面間隔は入力の単位の指定のsとd* により異なります。(2s = d*)

  最小面間隔=1/2s=1/d*

特に、消滅する反射の有る場合には、絞りの中に十分な反射が入っているか調べて下さい。

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Q102

Simulation Modeについて違いを教えて下さい

A102

Simulation Modeでは部分干渉性の取扱いを指定します。

本プログラムでは通常よく使われる包絡関数(Envelope)を用いる方法と相互透過係数(TCC/Transmission Cross-coeffocient)を用いる方法とを選択することができます。

TCCをもちいる方法は、特に小さなモデルでないかぎり、包絡関数(Envelope)を用いる方法に較べて計算時間を必要とします。

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Q103

Simulation Modeが「First Order(envelope)」では正常な像がでるが、「Second order(TCC)」にすると正常に計算されない。

A103

Second order(TCC)では計算に指定した絞りの2倍の範囲の空間周波数が計算に使われます。これは、絞りを通過する散乱波同士の干渉項も計算に取り入れられるためです。

このため、First Order(envelope)の計算だけを行う場合には計算領域は絞りの大きさと同じで構いませんが、Second order(TCC)の計算を行う場合には絞りの2倍の計算領域を用意する必要が有ります。この計算領域は散乱波の計算領域により制限されています。

散乱波の計算領域はMultiGUIのPreferencesの「Dynamical calculation/Range」で指定します。もし、計算領域が狭い場合には、MultiGUIで指定を変更し、散乱計算から再計算する必要があります。

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散乱強度出力に関して(DFOutGUI)

Q201

反射を指定するのに指数を2個しか使用しませんが、通常の反射指数とどのように対応するのでしょうか?

A201

マルチスライス法では入射方向にほぼ垂直な逆格子面での散乱振幅を求めます。この2次元逆格子面は入射平面(2次元格子)の逆格子に対応します。そして、2個の指数は2次元逆格子を表現しています

この2次元指数と通常の3次元指数との対応は、3次元逆格子内における2次元逆格子の関係を見いだすことにより求められます。高次層線(HOLZ/Higher Order Laue Zone)も同様に対応をつけることができます。

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Q202

位相はどのように表示されているのでしょうか?

A202

対称心の有る場合の運動学的散乱振幅の位相は 0 あるいは pi となります(対称心の有る場合の散乱波は実数で正または負となります)。本プログラムでは試料厚さの小さいときに散乱波の位相が運動学的散乱振幅の位相に一致するように設定しています。このため、入射波の位相は -pi/2 としています。

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ご質問、お問い合せはsupport@hremresearch.comまで